シワ・たるみ治療に使われるヒアルロン酸とはどういったものなのかをご紹介します。
ヒアルロン酸は、細胞をつなぐ役割をしているゲル状の物質(ムコ多糖類)です。保水性に優れた物質で、皮膚や皮下組織、眼球のガラス体、関節など、いろいろなところに存在している、人間の体にとても重要な構成成分です。ヒアルロン酸は誰の体にもあります。そのため、生体適応性がとても高いです。治療のために体に何か入れるときは、通常、アレルギーテストを行なうものですが、ヒアルロン酸ならそのテストも必要ないくらいに、人体には安全な物質なのです。
普通、人の体にはヒアルロン酸を分解する機構があります。そのため、天然のヒアルロン酸を皮膚に注入しても、すぐに分解されてしまいます。それではシワやたるみ治療に天然のヒアルロン酸を注入しても、あっという間の効果にしかなりません。そのため、シワ治療の注入用には、安定化させて、長期間体内にとどまるようにした、注入用ヒアルロン酸製剤を使います。注入用のヒアルロン酸でもいずれは分解が進んでしまうのですが、この注入用ヒアルロン酸は、分解されても水分子がその部分に取って代わり、治療したときのボリュームを維持できるという変わった性質もあります。それでも、最終的には完全に分解されてボリュームを失ってしまうのですが、皮膚への影響を最小限に抑えることができるようになっています。
シワやたるみの解消に皮膚に注入する物質には、コラーゲンも使われています。コラーゲンは皮膚を構成している物質のひとつなので、自然な仕上がりを期待できます。しかし、コラーゲン注入は、アレルギーを起こす方が少なくないこと、効果の持続期間が短いことなどのデメリットがあります。
ヒアルロン酸注入には、コラーゲン注入の場合のデメリットがありません。アレルギーの心配がなく、持続期間が比較的長いのです。それがヒアルロン酸注入治療のメリットです。
ヒアルロン酸製剤には、いろいろな種類があります。どのヒアルロン酸製剤を使うかは、注入する場所の組織の深さや密度にあっているものを選ぶ必要があります。ゲル粒子が小さい製剤ですと、うまく組織内に留まることができません。反対にゲル粒子が大きすぎる製剤は、不均一な仕上がりになったり、組織障害を起こしたりします。ですから、注入する部位やその組織にあったヒアルロン酸製剤を選ぶことはとても大切なことなのです。